学習した知識まとめ

1. ネットワーク

1-1. ACKフラグ

送信されたデータが確実に相手側に届いたかどうかを確認するために、各セグメントに対して「確認応答(Acknowledgment)」を返す。
ACKフラグがセットされたパケットは、相手側から送られてきたデータに対する受信確認を行うために用いられる。
接続確立(3ウェイハンドシェイク)後は、すべてのパケットにACKフラグが含まれる。

1-2. PSHフラグ

PSHフラグとは、送信側が「このデータはため込まずに、すぐにアプリケーション層へ渡して欲しい」という意図を示すもの。
これにより、受信側は受信バッファにため込んだデータをすぐに上位層へプッシュ(転送)する。

下記2つのシーケンスは同じ意味になる。
右図では4の後にBからACKフラグのみが送信されているが、これはネットワークの状態(遅延ACKアルゴリズム)、またはB側のデータ準備状況に
応じた実装の違いで見られることがある。

    

下記のシーケンスは誤り。接続確立後はすべてのパケットにACKフラグが含まれなければならないため、4にはACKフラグがないといけない。

1-3. FTPのモード

(1) アクティブモード
  サーバー側が「アクティブ(能動的)」に接続を開始するモード。古くからある標準的な方式。
  クライアント側のファイアウォールで「外からの接続」がブロックされることが多く、通信エラーになりやすい。
  一方で、サーバ側で開放するポートが20と21に限定できるというメリットがある。
   パッシブモードと異なり、データコネクションに使用するポートは限定できず、クライアントで1024〜65535のすべてのポートを
   開放する必要がある。
   制御用コネクション: クライアントからサーバ(ポート21)へ接続
  データコネクション: サーバ(ポート20)からクライアント へ接続

(2) パッシブモード
  サーバー側が「パッシブ(受動的)」に待機し、クライアントから接続するモード。現在の主流となっている。
  接続はすべて「クライアントから外(サーバー)へ」向かうため、クライアント側のファイアウォールに邪魔されにくい。
  一方で、サーバ側でデータコネクション用に一定数のポートを開放する必要がある。
  開放するポートは、サーバソフトの設定で指定可能(例:50001〜59999に限定する)。
  制御用コネクション: クライアントからサーバ(ポート21)へ接続
  データコネクション: クライアントからサーバ(ランダムなポート)へ接続

2. ゲーミング

2-1. ティアリング

ゲーム中に画面にノイズのような横線が表示される場合、GPUとディスプレイで表示に同期ズレ(ティアリング)が発生していると考えられる。
下記2点の設定を見直すことで、ティアリングは解消することができる。

(1) ディスプレイ(TV)の設定で"ゲーミングモード"を有効にする。
(2) GPUやゲームの設定で"垂直同期(VSync)"を有効にする。
※ゲーミングモードとは、ゲームプレイに最適化された表示設定を適用し、表示の遅延を減らす機能。

2-2. ディスプレイ設定

設定項目 用途 有効時 無効時
DNR 古いDVDや低ビットレートの動画など、元の映像にノイズが多い時
暗いシーンが多い映画で、ザラザラした粒状感が気になる時
暗いシーンのザラザラした粒状感が減る
肌や壁などの細かい質感が少しぼやける
動きの速い場面で残像が出やすくなる
全体的に柔らかい印象になる
細部のディテールがくっきりする
ノイズもそのまま見える
動きの速い場面での残像が減る
表示の遅延が少なくなる
MPEG NR ストリーミング動画でビットレートが低い時
古い録画番組など、映像の圧縮artifactsが目立つ時
低ビットレート動画の四角いブロックノイズが減る
文字の周りのモヤモヤが軽減される
細部が少し溶けたように見えることがある
映像処理が増えるため、遅延が増えることがある
文字やUIがくっきりする
細部のディテールはそのまま
表示の遅延が少なくなる
ゲームでは最も自然な表示になる
Adaptive Luma 映像鑑賞で明暗を自動最適化したい時 画面輝度が自動で変動する 輝度が安定する
SDR to HDR HDR非対応コンテンツをHDR風に見せたい時 コントラストや色域が拡張される 元のSDR表示が維持される

(1) DNR (デジタルノイズリダクション)
  DNRは、映像のノイズをソフトウェア的に除去する処理で、フレーム内の空間ノイズやフレーム間の時間的ノイズを低減する。
  暗所や低画質ソースで有効だが、処理が強いと輪郭がぼやける・動きで残像や不自然な補正が出ることがある。
  ゲーミングPC用途では「無効」にするのが推奨。

(2) MEPG NR (MPEGノイズリダクション)
  MPEG NRは映像圧縮(MPEG系)で生じるブロックノイズやモスキートノイズを抑えるための処理で、放送やストリーミング映像に有効。
  リアルタイムレンダリング(PCゲーム)では不要かつ逆に画質劣化や遅延を招く場合がある。
  ゲーミングPC用途では「無効」にするのが推奨。
  ※PC→HDMRケーブル→ディスプレイという接続の場合、映像は非圧縮のため本機能は不要。
(3) Adaptive Luma
  画面の明るい部分・暗い部分をリアルタイムで解析し、輝度(Luminance)を自動で上下させて見やすくする機能。
  動きの多いゲームで誤検出しやすく、視認性低下を招く可能性がある。また、処理に負荷がかかるため表示の遅延にもつながる。
  ゲーミングPC用途では「無効」にするのが推奨。

(4) SDR to HDR
  SDR to HDRは、ディスプレイがSDR映像を疑似HDRに変換して表示する映像処理機能。
  明るさやコントラスト、色の鮮やかさを調整することで、SDR映像を「HDR風」の見た目に変換する。
  ゲーミングPC用途では「無効」にするのが推奨。
  ※SDR (Standard Dynamic Range)とは、従来から広く使われてきた標準的な明るさ(輝度)と色の範囲で映像を表現する規格。
   HDR (High Dynamic Range)と対比され、暗い部分と明るい部分の差が限定的で、白飛びや黒つぶれが起こりやすいものの、
   多くのコンテンツで標準的に利用されている。